美しい夕暮れ



私が“家族の歴史”について知ったのは、かなり大人になってからのことで…

サハリンに旧ソ連軍が侵攻した時、祖父が兵士に向き合い、祖母や父を守ったこと。

浅草に焼夷弾の雨が降った日、祖母が幼い母をおぶって、必死に逃げたこと。

薄々知ってはいたが、面と向かって話してくれることは無いままで…
“昔の話”だから、話さないのだろうと思っていた。

だが、あの震災を経て、やっと気がついた。
恐ろしく、辛く、苦しい思いは、何十年経っても、消えはしない…
「話したくはなかった」のだと。

“私にできることは？”などと、烏滸がましいことを言ったところで、元には戻れないものもあるのだ。

だから…
私は、人の痛みに寄り添える祖父母のように、世を曇りのない眼で　観ることができる知識を持つ努力と、植物を慈しむ心を持ち続けるコトを、3月11日に誓う🌿