12月、師走も春待月。この時期を最後として、その先の新たな時季へと移りゆく。
私の散歩道の道際等の草花達は、また生まれかわる新たな世界に、自ずからその身を委ねようとしている---

11月からの、新たな時季に向けての草花達の姿 ---その9。

早くも観る「風」由来の、神秘な4花色の草花。
--- 何時も利用するある駅前の花壇。
そこに観るは、鮮やかにも咲き、私を驚かす様な、濃いピンクの、薄紫の、濃い紫の、真っ赤な４つの神秘的な花がすでにそこに居座っていた。

2、3日前迄は、そこには見慣れた花が、まだその勢いはあったと思うにも、その草花たちを引き継ぐかのように、新た風情をそこに演出し、行き来する人達に、時節に変化を与えようとしていた。

　　　　　アネモネ(ボタンイチゲ<牡丹一華>)

その種は、長い毛を有し、「風」(ギリシャ語からくるアネモネの語源)によって運ばれるという。

アネモネの開花時期は、普通には春先だが、店頭にはその開花株が12月ごろには並ぶという(下記)。そういえば、これらの花の株には、新しい植栽の跡が見られた。

＜アネモネの咲く時期は、アネモネはほとんどが春咲きで、開花時期は2〜5月。アネモネの花が店頭に並ぶのは、大体１２月ごろから開花株や芽が出た株が売られ始める。(出典・参考: Flovia)

なお、アネモネの花びらに見えている部分は実はがく(顎)で、本当のアネモネの花びらは中心の紺色の部分。アネモネは光や温度に反応して開いたり閉じたりを繰り返すという。＞

・アネモネ＜別名 ボタンイチゲ<牡丹一華>、ハナイチゲ<花一華>、ベニバナオキナグサ<紅花翁草>＞(キンポウゲ科 イチリンソウ属/アネモネ属)
ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域が原産の多年草。
語源はギリシア語で「風」を意味することから。

ギリシア神話中に、美少年アドニスが流した血よりこの植物が産まれたとする伝説があり、稀にアドニスと呼ぶこともある。なお、アドニスはフクジュソウ属の学名である。

古くから人との関わりが深く、原生地から各地への伝播には、十字軍や巡礼者が関わっており、神話や伝説にも多く登場する。

＜特徴＞
原生地の地中海地方では、比較的雨の多い冬に生育し、初夏に地上部が枯れると球根(塊根)となり、暑く乾燥する夏を越す。日本では、気温の下がる秋に芽を出し、春に咲き夏前に地上部を枯らし、塊根をつくって休眠する。

一般に春先に花を開くが、その花は一重のものから八重咲きのもの、花色も桃色、青、赤、白等。草丈も切花用の高性のものから矮性種まで、野生種のみではなく、現在では様々な園芸品種が栽培されている。

種は長い毛を有し、風によって運ばれる。このため「風」が由来となっている名前が各地で見られる。花弁はなく、萼片が同じ働きをしている。

イスラエルでは2013年からシクラメンから切り替わって国花になっている。

＜品種＞
アネモネ属は温帯から亜寒帯にかけて約100種が分布し、クリスマスローズ、ラナンキュラス、クレマチスなどと同じキンポウゲ科である。

アネモネ・ホルテンシス、アネモネ・パボニナ、これらの交雑によりできたとされるアネモネ・フルゲンスがあり、さらにフルゲンスが交雑した中から選抜されたのが、アネモネ・コロナリアである。
現在、園芸的にアネモネといえば、この「コロナリア」を指すのが一般的である。

＜花言葉＞
「はかない夢」/「薄れゆく希望」/「はかない恋」/「真実」/「君を愛す｣/「恋の苦しみ」/「嫉妬の為の無実の犠牲」/「希望」/「期待」

(上記の、出典・参考: アネモネ Wikipedia)

(下記の、出典・参考: みんなの趣味の園芸)

＜アネモネの種類(原種、園芸品種)＞
→セント・ブリジッド’
19世紀にアイルランドでつくられた、八重咲き大輪の品種。草丈は20〜40cm。

→モナ・リザ’　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
草丈60cmにもなる最も高性の品種で、切り花にも向く。

→デ・カーン’
19世紀後半に、フランスでつくられた一重から半八重の品種。草丈は20〜40cm。

→ポルト’
‘デ・カーン’や‘セント・ブリジッド’よりも、草丈がやや低く鉢植えにも向く大輪一重咲き品種。草丈は20〜30cm。

吹き詰め咲き
数えきれないほどの真っ赤な花弁が重なり、非常に豪華。植えっぱなしでよく咲く。