*･゜✨🍃ﾟ･*故郷・大杉*:.✨ .｡.:🍂ﾟ･

樹木に「凍裂」というものがあるそうだ。急速な寒さで樹幹の中の水分が凍って裂けてしまう。「台風斑点」もある。台風の強風が吹くと木は懸命に倒れまいする。その際、にじみ出た樹液が年輪に斑点として残る。

人間が歩んだ人生の年輪にも、凍裂の傷や台風斑点が刻まれているのかもしれない。歌舞伎俳優、中村吉右衞門さんが生まれた時、養父の初代吉右衛門はこんな句を詠んで喜んだ。〈萌（も）へ出（いず）る木々の若葉の香かな〉

その若葉は役者としての天才、才能がないと思い悩んだ。室町時代の能役者、世阿弥による芸術論「風姿花伝」。ある人に難じられて読んでみると、演技や芸を花に例えてある。

「ああ自分にはよほど花がないんだな。だから読めと言われたんだ」。思い詰めてガス管をくわえたこともあったという。希代の名優といわれた初代の芸を継ぐとともに、自らの芸も確立しなければならない。二代目の重圧。

それに押しつぶされなかったのは、「私には努力しか道がない」と腹をくくったからだと、自伝「夢見鳥」に書いている。人間国宝にも認定された、その後の活躍はご存じの通り。

吉右衛門さんが77歳で亡くなった。芸は年齢に応じて花を咲かすという。寒気や強風に耐えた人生の年輪。これからどんな花を咲かせてくれただろう。それを見ることはもうできない。

　　　　　今日の高知新聞🗞『小社会』より

🍃杉の大杉は推定樹齢3000年の「日本一の大杉」です。私は幼少期から現在は故郷へ帰れば散歩をする場所のひとつになっています。間近では見上げた杉の先の方が見えないぐらい高く、幹周りも太く逞しい姿にいつ見ても圧倒されチカラをもらえる大好きな杉の木です✨「美空ひばり物語」では岸本加世子さんが撮影に来ました。