11月。晩秋から冬へと、その先の季節へと移りゆく。
私の散歩道の道際等の草花達は、また新たな世界を夢見て、その身を自然の中に託そうとしている---

10月からの、より充実した時季を持とうしている草花達の姿 ---その13。

目映いばかりの、真っ赤にまた金色に輝く2つの草花。
---何時もの散歩から自宅に向かう途中の、あるお宅の石塀に掛けられた花鉢に引き込まれる。

そこには、強烈に私を引き込んだ黄と赤を発光している目映いばかりの、２つの草花である。
ひとつは、小さな花がまとまって真っ赤な、また黄色の花を多数咲せている。花は咲き進むに連れて色が変化する、いわゆるシチヘンゲ(七変化)なる花色変幻の花が。

もう一つは、ノウゼンカズラに似た花を咲かせ、ハスに似た葉を持ち、金色の花を咲かせて、その葉を持った葉は円形で、その中央一点から淡い白色の葉脈が放射状に分岐して浮かび上がらさせている。少し異風を感じさせる草花であった。

　　　　　ランタナ(シチヘンゲ<七変化>)
　　　　　ナスタチュウム(ノウゼンハレン< 凌霄葉蓮>)
　　　　　　
・ランタナ＜別名 シチヘンゲ<七変化>、ランタナ・カマラ＞(クマカズラ科 シチヘンゲ属/ランタナ属)
　(備忘: ランタナの属性等について 12/24 ‘20)

・ナスタチウム＜別名 ノウゼンハレン<凌霄葉蓮＞、ナスタチューム＞(ノウゼンハレン科 ノウゼンハレン属/トロパエオルム属)
　南米のコロンビアからペルー、ボリビアのアンデス山脈を中心に分布する一年草。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ナスタチウムの仲間には約80種の植物が知られており、花の美しい数種が栽培される、最も一般的なのはキンレンカの和名を持つトロパエオルム・マユス種。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マユス種は花を観賞する他、全草が食用となるため、世界の広い地域で栽培されている。

現在ではアメリカなど北米の一部の地域でも、逸出したものが帰化植物として定着している。
日本へは江戸時代末期に渡来。

ナスタチウムの花期は5月～7月ですが、夏を越せば秋の9月～10月にも開花する。
花期になると、伸びたツルの葉の付け根から、花径5～7㎝程度の花を咲かせる。
花には5枚の花弁があり、花弁の基部には髭のような突起が見られる。
萼片は5枚あり、その内1枚の基部には距(キョ)と呼ばれる長い筒状の空洞があり、ここに密が貯めらる。

花色はオレンジ、赤、黄色、複色。
一重咲きの他、八重咲きの品種も流通している。

葉は円形で、葉脈が淡い色で浮かび上がっており、葉柄は中央付近に付いている。
葉に斑の入る斑入り品種も流通。

和名のノウゼンハレンの名前は、ノウゼンカズラに似た花を咲かせ、ハスに似た葉を持つことに由来。
別名のキンレンカも同様に、金色の花を咲かせ、ハスのような葉を持つことに由来。

葉や花、果実や種子には酸味と辛みがあり、食用に利用される。
葉はサラダのアクセントに、花は料理の彩りに、果実はすりおろして薬味として使用する。
ナスタチウムの花には100ｇ当たり約130㎎のビタミンCが含まれており、これはパセリとほぼ同等の含有量である。

つる性植物で、つるの長さは3ｍにも成長するが、流通しているものの多くは矮性品種で、あまりつるが伸びない。
自生地はアンデス山脈などの熱帯高地のため、25℃を超える暑さが苦手。
暖地での夏越しはやや難しく、夏越しに成功した場合も草姿が乱れがちです。

(出典・参考: ガーデニングの図鑑)