９月。暑かった夏を後にしながら、私の散歩道の道際等の草花達は、強い日差しから解放されて、より充実した色彩を放そうとしているようだ---

８月からの、暑中、残暑から解放から新たな草花達の姿 ---その3。

薔薇、ひとつ。真夏のオープンガーデン。
---自宅の近くのオープンガーデン。ここに、先に観た2、3の草花の直ぐ傍に、チラッと目に入ったのは、少し前迄は、このガーデンを彩る主役の一つにあったとしても言い過ぎでなかった花卉だ。

それは、花弁が白からピンクを色濃くしていくグラデーションの美しさを秘めた、しかし未だ花弁が開き切っていない、どちらかというと、花弁を閉じたままの、蔓性の薔薇の花がひとつ、取り残されたように枝先にジッとしていた。

私は、横から、そして正面から暫くジッとそれに対峙させられた。

そこには、幾多の瞼の奥を観たようだった。この真夏の中で、その瞼が十分開いていけるのだろうかと、想いながらその場を離れた。
　　
　　　　　　　　　　　　　バラ(薔薇)