6月、陰暦では水無月とはいえ、梅雨の時季。私の散歩道の道際等の草花達は、益々緑を濃くして、その彩を映えるものにしているようだ---

5月からの、草花達の生き生きとした姿、姿---その20。

古くから鑑賞用庭木の、橙あるは赤色の美しい花。
---ある用事から帰りの、あるお宅の前。その柵塀に付着しても、伸びてそこを更に超え、道路側にも枝垂れている花木が、赤橙色の４つほどの漏斗形の花を、あちこちにに付けて一種華麗な、ノウゼンカズラ。

一輪一輪の花は短命であるが、花期の間、花は次々と開花するという。
今年は、例年よりその開花が早いようだ。秋口に入っても、その美しい姿を、そこに表現していてくれであろうか。

・ノウゼンカズラ＜凌霄花＞(ノウゼンカズラ科 ノウゼンカズラ属)
中国中部から南東部にかけて分布する落葉性のつる性植物。
夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばす。
つるの長さは3～10ｍに伸び、他のものに付着する気根を出して木や壁を這い上る。

日本での栽培の歴史は古く、平安時代の『本草和名(ホンゾウワミョウ)』に、「乃宇世宇(ノウセウ)」の記載がある。
「乃宇世宇」というのはノウゼンカズラの古名で、「ノウセウ」または「ノセウ」が訛って「ノウゼン」と呼ばれるようになったと言われている。

ノウゼンカズラ属は本種ノウゼンカズラと、アメリカ南東部原産のアメリカノウゼンカズラの2種からなり、これらの交雑種である園芸品種も流通している。

ノウゼンカズラの花期は7月～8月。
花期になると、伸びたツルの先に円錐花序を出し、花径6～7㎝程度の花を多数咲かせる。
花は漏斗形で先が5裂し、平らに開く。
中心には雄しべが4本あり、内2本が長くなっている。
一輪一輪の花は短命ですが、花期の間、花は次々と開花する。

葉は羽状複葉で小葉の縁には荒い鋸歯があり、対生。
つるは気根で他のものに絡みながら長さ3～10ｍ程度に成長する。

耐寒性、耐暑性共に高く、東北地方以南であれば植栽可能。
生育旺盛で花付きも良く、育てやすい花木である。

＜ノウゼンカズラ主な品種、近縁種＞　　　　　　　　　　　　　　　　→アメリカノウゼンカズラ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アメリカ南東部原産のノウゼンカズラの近縁種。　　　　　　　　　　
美しい花を咲かせることから観賞用として栽培されており、現在では逸出したものがアメリカの多くの地域、ヨーロッパなどでも帰化状態にある。

ノウゼンカズラに比べると花序が短いため、花がまとまって咲く。
花色は赤みが強いオレンジで、花はやや小さく、花筒が長いのが特徴。

→アメリカカゼンカズラ‘フラバ’　　　　　　　　　　　　　　　　　 アメリカノウゼンカズラの園芸品種で、黄色の花を咲かせる。

→マダム・ガレン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの交配による園芸品種。　
赤に近いオレンジの花を咲かせる。

→タカラヅカシリーズ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
兵庫県宝塚市で生産されたノウゼンカズラ。　　　　　　　　　　　
黄花品種の‘タカラヅカ・ゴールド’、濃いオレンジ花の‘オランジュ・タカラヅカ’などが有名。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
やや小型の品種が多く、鉢植えでも育てることが可能。

(出典・参考; ガーデニングの図鑑、ノウゼンカズラ Wikipedia)