水元公園のオオヤマレンゲ(？)


“天女花”とも呼ばれる、清らかな白い花。
現在、自生種以外に、市場に出回っているオオヤマレンゲは、葯が赤いものが多い。
実はこれ、オオバオオヤマレンゲという「亜種」だという。
このpicの葯も赤く、おそらくオオバオオヤマレンゲであろう。
(オオヤマレンゲの葯は、黄色〜オレンジ色。)


ちなみに…
主に、亜高山帯など　比較的涼しい場所を好むが、西日本に多く　北日本に分布していないオオヤマレンゲ。

中国南東部にも、オオヤマレンゲが分布しているが、朝鮮半島に分布するのは、「亜種」のオオバオオヤマレンゲ。

これらを地図に当て嵌めてみると、生物学的には　不可解な分布なのだが、森林総合研究所の、今年2月のレポートに、その答えがあった(以下引用)。


『オオヤマレンゲとオオバオオヤマレンゲは、古い時代(300～400万年前頃)に分化し、その後、氷河期🦣に朝鮮半島と九州が陸橋でつながったときに交雑し、西日本のオオヤマレンゲに、オオバオオヤマレンゲの遺伝子が混じったと考えられる』


雑な言い方で申し訳ないが…
“本種”と言われるオオヤマレンゲも、「亜種」のオオバオオヤマレンゲが無ければ、今の種は続かなかったと言っても良いだろう。

半島の記憶(遺伝子)が、美しい花を開かせたのだ。


日本の植物は、多様性のお手本だ🥰



●亜種とは●
   
「種(しゅ)」は、繁殖する生物においての、分類上基本的な単位。
ただ同じ種でも、分布する地域により色や形に違いがみられ、異なる集団と認められる場合、これらを「亜種(あしゅ)」という