４月。暖かな陽気に誘われ、草花が咲きみだれ、動物や虫たちも顔を出し始める季節。私の散歩道の道際等の草花達も、その硬い殻を脱ぎ去って、自らの容姿を奮い起こしている---

3月からの、草花達の満面の姿、姿---その17。

あちこちに美しくも、群生もするシャガ。
---少し見ぬうちに、私の周囲は、我家の手前のオープンスペースに、散歩道の道際等には、白の地に紫と橙の斑紋をあしらったアヤメに似た花、シャガが、その美麗の姿を今年も、あちこちに披露していた。

・シャガ＜射干、別名 コチョウカ<胡蝶花>(アヤメ科 アヤメ属)
中国からミャンマー原産のアヤメ科アヤメ属の多年草。
日本には古い時代に渡来した帰化植物と言われており、現在本州から九州の人里近くの森林や林の中で群生が見られる。

人家近くの森林周辺の木陰などの、やや湿ったところに群生する。白っぽい紫のアヤメに似た花をつける。花弁に濃い紫と黄色の模様がある。根茎は短く横に這い、群落を形成する。

草丈は高さは50 - 60cm程度までになり、葉はつやのある緑色、左右から扁平になっている。いわゆる単面葉であるが、この種の場合、株の根本から左右どちらかに傾いて伸びて、葉の片面だけを上に向け、その面が表面のような様子になり、二次的に裏表が生じている。

日本に分布するシャガは染色体の数が一組多い3倍体で、不稔性。
不稔性とは不実性とも言われ、種子ができない性質のこと。
そのため日本に分布するシャガは同一の遺伝子を持ったクローンで、人の手によって植えられたものと考えられている。

3倍体の植物としてはヒガンバナなどが有名で、また、種子ができないという性質を利用して種無しスイカなどが作り出されている。

花期は4月～5月。花期になると、葉の間から花茎を伸ばし、上部で分枝した先に淡い紫色の花を咲かせる。
花は花径4～5㎝程度で、外花被片3枚と内花被片3枚があり、外花被片には中央にとさか状の突起と橙色の斑点があり、その周囲を紫色の斑点が囲む。

内花被片はやや細く、先端が浅く2裂している。中央にあるのは雌しべの柱頭の付属体で、柱頭と雄しべはその裏側にある。

＜シャガの近縁種＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シャガが属するアヤメ属は、北半球に約280種が分布。美しい花を咲かせる種が数多くあり、観賞用として栽培されている。観賞用として栽培されるものには本種の他、以下のようなものがある。

・イチハツ　・ヒオウギ　・ジャーマンアイリス　・カンザキアヤメ(カンアヤメ)

(出典・参考; ガーデニングの図鑑、シャガ Wikipedia)