〜7.21投稿　つづき〜


あのあと交差点でさよならした

何もなかったように日々が過ぎ
夏休みも近づいたある日
昇降口に向かって階段を
降りていた時だった
またオモダカが声を掛けてきた

あのとき終止符を打ったはずの鼓動が
また演奏を始め出す…

オモダカ「ミツバ、君にきちんと
伝えたい事があって
　　　　　　あれからずっと
言葉を紡いでたんだ」
「もう一度話を聞いて
　　　　　　　　　　くれないか」
「ミツバは以前僕に
こう言ったよね」

私はどこにでもいるただのミツバ！

　　　　「ただのミツバだって⁈」

　　　　「周りの男子達がヨツバのこと
　　　　　　　　好きなのもよく分かる」
　　　　「ヨツバは居るだけで周りを
　　　　　明るくするし不思議な魅力を
　　　　　持つ可愛い子だよね」

　　　　「でも僕は数あるシロツメクサの
　　　　　中から
　　　　　ミツバ、君を見つけた。」
　　　　「君を見つけたんだ」

　　　　「手を出してみて」　
　　　　　　　　　葉を1枚差し出すミツバ
　　　　「こっちも」　
　　　　　　　　　もう1枚の葉を…
　　　　「もう一つも」
　　　　　　　　　……
ミツバの3枚の葉と
オモダカの3枚の花びらが手を繋ぐ
　　　　「僕にはこれ以上繋げる手は
　　　　　無いんだ」
「きみと同じだよ」
「ミツバとずっと
こうしていたいんだ」

ミツバ 「オモダカ君…」

ミツバの鼓動ががオモダカのキーと重なる
オモダカにもそれが伝わった

私も…

二人の鼓動は
心地よいハーモニーとなって
校舎中の窓ガラスを響かせた♬


＊オモダカ
　　花弁は3枚で白い花を咲かす水生植物